3事業計画
診療圏調査と事業計画の策定は必要です
最近では、不動産や住宅会社、金融やリース会社、医療系コンサル等多くの所が診療圏ソフトを導入し、対象地の診療圏調査をしてくれます。居住人口や競合医院等をデータで確認できます。幅広い年齢構成と人口数があり、競合科目の医院がなければベストですが…。事業計画は、診療圏調査に基づいて推定患者数を予想し、損益予測や資金繰り予測をはじき出します。候補地における事業の採算性を検討する事になります。収入の目安と支出項目で、医院経営の概要が把握できるのではないでしょうか?医院開業の形態は不動産物件によって違いがありますので、「売買」「賃貸」等の不動産物件の条件に応じた事業計画が策定されていきます。一概に、どのような医院開業の形態が良いとは言えませんが、事業計画に無理がないか?入手困難な場所か?開業のイメージに合った場所か?契約の締結までじっくり比較検討されることをお勧めします。
融資の交渉はドクターがするのか?
不動産の決定・契約の前に金融機関からの融資の内諾は必要です。診療圏調査や事業計画を当然に資料として添付しますが、ドクターの人柄や熱意も銀行の担当者は見ています。社保や国保の指定振込先として、地域で有力な金融機関は外せませんが、2~3行に声を掛け、融資条件(金利・借入期間・保証人の有無)を比較しても良いのではないでしょうか?最終的には、金融機関の担当者の対応や人柄、店舗までの距離等で決まるのも事実です。事前申込になったとしても、連帯保証人(通常は奥様)の記入、担保の確認や所得証明、建築や内装工事に係る見積書の提出を求めてくるところなどありますので、分らない事は積極的に確認をしてください。連帯保証人になる方には、きちんとこれまでの経過を説明することは大事です。借入希望額によって金融機関の審査期間も異なりますが、総額5,000万円以内であれば、書類の提出後、2~3週間程度で回答(内諾の有無)は得られると思います。
※この回答の間に設計事務所の選定や不動産契約の準備を行います。
勤務先病院・医局への退職の打診のタイミング
「いつ退職できますか?」と冒頭で記載したように、退職のお話をされるタイミングは非常に難しいものです。開業地が勤務先から離れた所になるにしても、円満に退職されるのが一番です。何ヶ月前に話をしたら良いのかは、先輩や友人からお聞きになったり、同僚の様子を観察しながら判断するしかないと思います。退職で迷惑がかからない事は無理でしょうから、人事異動の行われる時期から6ヶ月位前を目途に考えては如何でしょうか?当然、引き止められたり、開業に反対される場合もございますから、強い意志と開業への熱意を失うことの無いように、お話する事をお勧めいたします。